七夕がやってきます。
2016年は月もなく雨も少なく天気予報も快方です。
以下の記事で今年の七夕の星たちをじっくり説明しました。
【七夕2016】天気は天に任す!今年は月なし星が綺麗!(1)都内で星空編
これはもう撮影チャンスです!
天気も雲量もいい予報が出ました。
実は今年を逃すと、星空の強敵である明るい月夜が続き、2018年まで星の光を遮ってしまいます。
今年から2018年までの七夕の月齢です。来年はほぼ満月、再来年は半月。
今年がどれだけ希少な七夕かおわかりでしょうか?
本当はこの写真のように都会から離れて、光害のない山か海へ行きたいのですけどね~
今回は街の光が明るい都内での撮影。
明るい星が組み合わさった「夏の大三角形」を撮影することを目標にしましょう。
三角の底辺が、彦星(わし座のアルタイル)と織姫(こと座のベガ)です。
それでは、予算をなるべくかけないで、一眼レフカメラを使って綺麗な夜空を手に入れましょう!
写真は東京都副都心、ビル陰で撮った星空というか流星です。このくらいは撮れるようになりましょう。
では今回と次回で撮影のコツをお教えしますが、まずは準備編!
準備編は長いので、サラッと読み飛ばしてくだされば結構です。
できれば撮影時にあったほうがいいものなど、ちょっとした買い物も紹介します。
週明けの会社帰りのヨドバシか、アマゾンなどでポチっとどうぞ。
こんな感じでカメラを立てて撮影します。
いつもこんなふうに部屋でカメラを組んでから撮影に持って行きます。
自宅の部屋でセッティングして、そのまま三脚をたたんで近所まで手持ちで行きます。
さて、今年の七夕は平日です。光害の多い都内撮影することが前提。
織姫と彦星が天頂に位置する7月7日の深夜1時前後を予定しましょう。
撮影準備編
以下のものを揃えましょう。
一眼レフデジタルカメラ
これはもうなんでもいいです。ただ、僕はニコンのユーザなのでニコンのカメラで説明します。
キヤノンや最近はオリンパス使っている方も多いですね。
メーカー固有の用語はなるべく使わないようにします。
もしあったら、まあ適宜読み替えてください。
メーカーやカメラ固有の機能は使いませんのでご安心ください。
僕は一昔前のモデル、ニコンのD7000をずっと愛用しています。
安くなっていますね。中古だともっと安いかも。
もちろん最新のほうが、高感度でノイズが少なそうです。
CCDがフルサイズとか、理想は山ほどあるのですが、カメラは二の次と考え、ムリしないでくださいね。
ただ欲を言えば、カメラを上に向けて天頂近辺を撮るので、バリアングル液晶モニターが付いたモデルが使いやすいと思います。
なくてもしゃがめばいいです。僕のにもありません。少し腰痛にひびきますが。
あとは割り切って、レンズやオプションに貴重な予算を振り分けましょう。
明るくて安いレンズ
星を撮影する理想を言うと、広角で明るいレンズに尽きます。
だけどそれは、お金を無尽蔵に突っ込むことを意味します。カメラより高いです。
なのでここは潔く、天頂だけを撮影できれば良い、広角はいらないと割り切りましょう。
難点を言えば、ただでさえ都市部で星の数が少なく見えます。画角が狭いと星の数も少ないと理解してください。
その上でおすすめなのがこれ。
実は35mm/F1.8のレンズをおすすめしていたのです。
しかし、やっと晴れた6日の夜、このレンズで覗いてみたところ、夏の大三角が収まらないことが判明!
急きょ取り下げます。
ポピュラーなレンズです。
昼間使いでは、絞りのボケとピントの合い具合をカリッと効かせたグラビアのような魅惑の写真を撮ることができます。
だいたい目で見たと感じくらいの画角を再現します。
広角ではないので、空を見ると結構少ない範囲しか見ることができません。
しかし、このレンズ、並行輸入なのでお値打ちとはいえ、実売3万円弱でF値1.8という明るさを提供してくれるのです。
よくある市販で一番明るいレンズが、F1.4で値段もお高いです。
F1.8はその次、かなり明るいですよ!
実際星を撮影するときは少し絞ってF2.2くらいにすると目が醒めたようにカリッときます。
【7/6夜追記!】
このレンズの選定は少しまずかったかもしれません。
夏の大三角の3つの星が、画角からはみ出してしまうかもしれません。
それだけ、織姫と彦星の距離は遠かったのでした。
すみません!もう少しだけ広角だと、3つの星全部が収まったのですが;;;
上を向けられる三脚
一眼レフカメラで天頂を狙うので、三脚は上を向けられ、少々頑丈なものがいいでしょう。
最近のモデルはこれがエントリーでしょうか。
SLIK 三脚 GX 6400 4段 レバーロック 21mmパイプ径 3ウェイ雲台 クイックシュー式 216835
これの以前のモデルで同じSLIKの「F740」というのを持っていますが安定しています。
でも安く作るためでしょうか、細かいパーツがプラ製です。
上下に移動するクランクハンドルもプラ製なので、派手に回していると折れやすく、気をつけましょう。
折れたところで、本体持って上下すれば問題ないのですけどね。はい折れましたよ。そんな程度です。
現在私は、鞄の中にコンパクトに入れられる、少しだけいい三脚を使っています。
ギミックともいえる折りたたみ方ができ、頑丈なのにコンパクトに畳めます。
ただし、頑丈なので重さはあります。ロックのネジが固めです。
Velbon 三脚 ウルトラロック ULTREK UT-53Q 6段 中型 自由雲台付 コマ止め方式 DIN規格クイックシュー対応 324726
手持ちの2つの三脚を並べてみました。小さい方は高いだけあってぎっしりコンパクトになります。
明るい星を大きく見せてくれるソフトフィルター
このフィルター、好みの問題ではありますが、あったほうが星空らしく見えます。
というのは、本来星は微細な点光源。
星を撮影した時、デジタルカメラのCCDでは星の大きさが写らないのです。
あたたかみを失い、宇宙空間的な夜空になります。それはそれで美しいですけどね。
人間の目は、明るい星を見る場合、色も明るいのですが、同時に大きく滲んで見ています。
でも実際には、あんなに大きな星はありません。
地球から果てしなく遠くにある星は、明るくても暗くても、すべて同じ点の大きさでしかありません。
それを人間の網膜は明るい星を滲ませて、つまり大きくして見ているのです。
それと同じことをやってくれるレンズにかぶせるフィルターがソフトフィルターです。
上記のレンズであれば、直径52mmと小さいので安く買えます。
Kenko レンズフィルター PRO1D プロソフトン [A] (W) 52mm ソフト描写用 252888
星空ソフトフィルターの定番、プロソフトン Aで撮影した写真です。少し雲がかかっています。
プロソフトンには、ソフト感が強いBタイプもあるので、お手持ちのレンズサイズとともにご注意ください。
フィルターのサイズは、レンズ正面の接合リングの内径とご理解いただければいいと思います。
夜露でレンズが湿ったり曇ったりを防ぐ貼るカイロ
これは絶対に必要です。安いものなので買い置きしておきましょう。
9cm × 6cmくらいのサイズのものが使いやすいです。
D7000のような日常生活防水のカメラの場合、冬の夜間雪の中で上向きで撮り続けても、ホッカイロを貼っておけば曇りません。
後述のリモートコードを使うと、バッテリーが無くなるまで、夜から朝まで撮り続けることもできます。
一度、山で夜通し放置して撮影させた時、三脚の上でカメラが雪まみれになって、カイロを巻いたレンズだけ顔を出していました。
近づくとシャッター音とLEDの点滅が続いており、明るすぎて真っ白な写真ばかりでしたが、感動で涙が出ました。
写真のようにカイロは下から貼るといいと思います。
熱は下から上へ上昇するからです。
貼るのはレンズのピントを合わせて固定してからですよ。
レンズ固定用養生テープ
星空を長時間撮影するので、その間振動などでずれやすくなります。
これを防ぐために、糊残りのないカメラ専用の養生テープでピントを星に合わせて固定してしまいます。
でもこのテープ、高いんですよね。
そこで一工夫、保証もしないし、おすすめもしないのですが、100均で売ってるマスキングテープを使ってみました。
長期間くっつけておいたらまずいでしょうが、撮影時間くらいは大丈夫かもしれません。
ピントはわずかの動きです。テープが薄いので、ぐにゃっと曲がってずれるかもしれません。
まあ、可愛いといえば可愛いのか。その際は黒っぽいものにしておいたほうが無難ですよ。
リモートシャッター
カメラの機種によるのでしょうが、私のD7000は、インターバルシャッターの機能がついています。
しかし最長が1時間ほどしか撮影できない。
なので、2~3時間、いや朝までとり続けてくれるキカイはないかと探したところ、互換品にありました。
これはシャッター信号をリモコンで間欠送信するキカイ。
カメラのインターバルシャッター機能を使わないので、バッテリーが無くなるまで永遠にシャッターが切れます。
JYC タイマーコントローラー TC-N3 [Nikon D90/D5100/D3200/D7000用]【ネットショップ ロガリズム】TC-N3
お持ちのカメラに合わせて選んでみてください。便利ですよ。
ただ、直接シャッターボタンに触るのはやめたほうがいいと思います。
星空撮影は、秒単位でシャッターを開けます。
カメラを少しでも触ると、どうしてもカメラが揺れるので、星が揺れてしまうのです。
また、三脚も揺れの原因になります。
三脚自身が弱かったり、必要以上に長く伸ばして立てると、繰り返すシャッターの振動だけで、カメラ自身が揺れ始めます。
虫よけと虫さされ薬
僕は虫刺され薬は、ムヒアルファEXと決めています。すぐにかゆみが止まるから。
あとは虫よけ。環境的にはどうかは別として、さっと出かけるにはエアスプレーのほうが楽でいいです。
星座のナビゲーターアプリ
スマホを使って、かざした夜空にある星を表示してくれる、秀逸なアプリです。
長年利用していますが、本当に助かりますし、ものすごいデータベースが含まれており、勉強にもなります。
今回は、これを星座盤として利用しましょう。
iPhoneのLEDバックライトは、一番暗くしておいたほうがいいです。
でないと、明るすぎて、視力を奪ってしまい、暗い星が見えなくなります。
照明を直視しないように、瞳孔を広くして撮影に挑みましょう。
カメラのバックライトも同じです。最低の明るさにしましょう。
バッテリーの持ちも長くなります。
メガネをかけたり外したり、老眼の友「メガネバンド」
大半の方は不要だと思いますが、私のような老眼やスマホ老眼、PC老眼の方は必見です。
カメラの表示と肉眼の夜空を見比べる時、メガネがジャマなんですよ。
なので首にかけておきましょう。あまり長いとカメラにあたって大変です。
結構いろいろ選びました。
スポーツメガネバンド【Fitch】フィッチ!!安全・安心・信頼の日本製!!
一眼レフのファインダーにも視力補性がついていますので、きっちり自分の視力に合わせましょう。
補正がピッタリ合うと、ファインダー内部がイキイキしてきて、新鮮な気分になりますよ。
いかがでしたでしょうか。長くなりましたので、この撮影準備編で一旦公開します。
実際の撮影編については、こちらへどうぞ!(7月6日更新)
【七夕2016】星を撮影!今年は月なし星が綺麗!(3)一眼レフ撮影編